クロノス カルロの作品のテーマは宇宙を創造する神。その神の創造によって生まれた我々人間・・・・・すなわち神の大いなる生命を受け継ぐ存在である我々もまた神である。 という思想が作品のすべてに息づいている。1966年カルロは、こう叫んだ。「我は神なり、また神は我なり」。このテーマと常に向き合い作品を生み出した。 そして1983年、ニューヨークを皮切りにオランダ、ポルトガル、フランスへと展覧会を行うが、その時の代表作ともいえるのが、「老人と子供、クロノス」。 そして11年後、1994年、本作品を制作。まさしく2部作の完成となる。 全能の神とされるゼウスは、実は父であるクロノスを到した功績によって偉大なる神として仰がれた・・・と説いたギリシャ神話。 本作の賢者をクロノスとみるなら抱かれた子は、ゼウスとみることもできる。いずれにせよ深い思索から生まれた美術品といえる。
「老人と子供、クロノス」1983年作:左
(107mm)サードニックス
 
「クロノス、賢者と子供」1994年作:右
(110mm)サードニックス
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