ヘラクレスの勝利 ギリシャ神話における数々の英雄の多くは神と人間の間に生れた半神であるが、ヘラクレスの場合、英雄の城を超えて神として崇拝された。ヘラクレスは全能の神ゼウスと人間の娘アルクメーネの間に生れ数々の冒険と武勇譚で知られる。本作では、そのヘラクレスの無敵の強さをシェルカメオに丹念に刻んでいるが、筋肉の隆起といい、退治した怪物をひじに置く構図といい、まさに英雄神話を今によみがえらせるカルロの才能の卓越えぶりこそ、神枝の領域ともいえよう。ヘラクレスのかたわらに刻まれたのは父ゼウスであろうか?ヘラクレスの勝利をたたえる慈愛のまなざしがうかがえ、作品全体の放つ神々しさが堪能できる。
「ヘラクレスの勝利」1998年作
(100mm)サードニックス
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