惑星の神 星々の上に立ち、大宇宙を創造する神の姿。そして神の体内から新たに誕生しようとする星、これが地球である−。
カルロの思想には常に神の存在が息づいています。この作品ではブロンズという重厚で冷やかなマテリアルにあって、生命を生み出す神をあくまでも肉体感のある存在として表現し、地球という生命を宿すその姿は、さながら母の胎内にも似たぬくもりさえ、脈打っているかのごとく感じさせます。
 
"我は神なり、また神は我なり"− これはカルロの言葉です。
神の創造によって生まれた我々もまた神の大いなる生命を受け継ぐ存在、すなわち神であるということであり、我々の精神活動や行動、そして心の在り方、それは宇宙を創られた神の魂の発露、すなわち"神は我なり"・・・というダイナミズムなのでしょうか。いずれにしても人間の内なる神の存在、そこに宇宙大の無限の可能性と普遍の真実を見出したカルロ自身の生命の輝きは、作品へと昇華され永遠にその光彩を放ち続けるのです。
「惑星の神」
(420mm 2,888g) ブロンズ
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