未来への創造 1995年カルロはヨハネパウロ二世との謁見を果たします。その際ローマ法王より、システィーナ礼拝堂、ミケランジェロの「最後の審判」「アダムの創造」などを単独で鑑賞することを許されたのです。この頃より彼の作風は聖書や神話の物語を用いつつ、「未来」を意識させる暖かさや優しさが満ちてきます。この作品は、先々に起こりうる不吉な出来事を暗示する聖書の黙示録がモチーフとなっています。しかし、そこには予言のもつどこか不安な印象はありません。むしろ、輝く未来を導く者の存在感と柔和な表情が見られ、神の国の到来を予感させているかのようです。力強く指差す方向性は期待をはらみ、さらにカルロ自身の創作活動への新たなベクトルを読み解くことが出来ます。
「未来への創造」 1996年作
油彩 1220x1220 mm
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